<前回からの続き>
この日カッパさんは釣った89匹のハゼのうろこと内臓をすべて捌き、大物はてんぷら用に頭と骨を取って下ろしました。朝3時起きだというのに、ハゼの処理に4時間、夜11時までかかりました・・・。
私は何もしてません。あ、カッパさんの苦情を聞き入れて出刃包丁を研ぎました。私は包丁は砥げますが、あんな小さいハゼを何十匹も捌いて骨を外すのなんかムリです。
「ヤッドオレハゼサバイダヨ」ベトナム人を濃くしたような風貌の男がパリの移民のようなたどたどしいフランス語っぽい声で呼びます。付き合い始めのころ、「東北弁はフランス語みたいでエキゾチックだワ」なんて大勘違いしてた馬鹿な私ですが、イヅノマニガワダスニマデトウホグベンガウヅデシマダらしくトキドギトウホグ人に間違えられチョドハズカシイス。
コレはマルヌ川のほとりのパリのレストラン「ガンゲット」風のグジョン(ハゼ)の空揚げブブネブレブ。ただ、塩コショーと小麦粉つけて揚げるだけボンソワ。揚げたイタリアンパセリとレモンを散らすのが「レストラン・ガンゲット」風なのジュヌセパ。
「パリっ子の食卓」佐藤真 を参考にしましたボンソワ。
この本の料理は実にセンスがいいです。本格的だけど簡単。レストランのフランス料理ではなく、「フランスに住む世界の移民料理+簡単で美味しいフランスの家庭料理」なのだ。本格臓物料理と魚料理が豊富なところがいい。それでいて簡単で美味しいバレンタインデーのお菓子なんかも載っていて、つまりお洒落だが実用性が高いのだ。
私は空揚げ食べた後、夜10時過ぎに疲労と熱射病で意識不明になっててんぷらも食べず倒れました。ごめんね、カッパさん。なんだか釣りってシルブプレ・・・。