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2025/01/15 17:57 |
マルグリット・デュラス「ラマン」「太平洋の防波堤」---釣りはできる限りやるべきでない

東京の横十間川デース。釣りに行ってきました。

ところで、生活を楽にしたい方は、釣りは「絶対」お止しなされませ!私も止めとうございます・・。釣りは快適な生活を妨害します!なぜか。100歩譲って釣ってるときはいいとしても、このあと何が待っているかといいますと・・・89匹のハゼを料理して釣り道具を片付けなければならないのです・・・。

猛暑で目が覚めてしまって、3時に起きてしまい、始発まで1時間あるので、弁当は作らない計画だったのに、タンドリーチキン、ナンサンドにポテトサラダ、枝豆、トマト、アイスコーヒー、アイスティー、などやたらとボリュームイッパイの朝食とお弁当を作成していざパリのマルヌ川(嘘)へ。マルヌ川ではグジョン(ハゼ)が沢山釣れるんですよシルブプレ。

朝6時過ぎには到着です。なんだか釣れます。一匹もつれない日も多かったのに、この日は馬鹿でもたぬでも釣れる日でした。川底に釣り糸をたらすと餌がついていなくても、ハゼ君たちが互いに相手を蹴散らし争って針を追いかけています。今日はハゼ君たちどーしたんでしょうか???ハゼ君はやる気満々、たぬ君はすでにぐったり。

カッパさんはノリノリですが(この日は89匹超も釣れました。なぜ「超」かといいますと・・バケツの中で大きいハゼが小さいハゼを食べまくっていたからです。食うか食われるかです・・)、1時間もするとたぬ君はすっかりくったりしてしまいました。暑いです。首都圏が一部40度超えた日だったんです。わたしはマルヌ川近郊(嘘)の100円ショップに逃げ込み、極小ビーチマット?とバナナとコーラを買いました。あら、このビーチマット、最高です!

端を座布団に反対側の端を背もたれにして、壁に立てかけると、背もたれ付きマットに早変わり。なんという利便性とコストパフォーマンス。木漏れ日がまぶしいです。空を雲がゆっくり動いていきます。

巡回船がマルヌ川を通り過ぎていきます。
向かいの川ではヴェトナム人を濃くしてハゼを足して割ったような暑苦しい男が魚を釣っている・・・。かっぱさんです。

おお、こんな日に最適な読書を思いつきました。
マルグリット・デュラス
「太平洋の防波堤」

マルグリット・デュラスの、実話に基づいた恐ろしいサバイバル自伝小説です。植民地時代、人種差別激しいベトナム。一生かけて働いた金で作物が育たない土地をつかまされた、白人家族。植民地白人なのに極貧最底辺。家族は、裕福な非白人華僑青年に自分の娘を身売りするところにまで追い込まれる。娘はいまや家族の大黒柱。しかし、そんな取引は母にとって発狂寸前に不本意だったため、母は逆切れして娘を虐待する。また、異人種間のスキャンダル、しかも非白人が白人を買うという逆転的関係は、周囲からも強烈な軽蔑と敵意で迎えられる。娘は、出口の無い状況を脱出するため、非白人華僑青年から渡航費用を巻き上げて、家族を見捨てベトナムを脱出し本国フランスで一旗揚げようとたくらむ。

最悪な話なのですが、社会体制や差別の只中でそれを超越した筆致がすがすがしく、生き残ることに懸けるデュラスの情熱みたいなものを感じます。人生に疲れたとき、出口が見えず弱っているときに、生き残る勇気を与えてくれる一冊です。私の数少ない愛読書です!

えっ、暑苦しいって?そうね、フランス&ベトナム&水辺で思い出したとはいえ、私も今読む気はしませんなあ・・。

では
マルグリット・デュラス
「ラマン」
になされませ。全く同じ実話を数十年後に詩的筆致で美し~い恋愛小説に書き直したものです。何十年もたつと、思い出って美しくなるのです。若いころの白黒写真がついています。なんと・お美しい・・・。年を取ってからはメガネをかけたハゼみたいなババに成り果てたデュラス様ですが、当時は天使のような、しかも17歳にして妖艶な美少女です。

<次回に続く>

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2007/08/24 23:54 | Comments(0) | TrackBack() | 趣味---本

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